【02】ぱおぱおと一張羅と赤ちゃん

あらすじ

満員電車で人様に寄りかかって寝てたぱおぱお。

起きたら、赤ちゃんに一張羅を食べられていた。

 

【01】ぱおぱおと一張羅と赤ちゃん

 

本編

赤ちゃんはすっかり
わたしの一張羅に夢中なご様子だった。

高かった一張羅…。まさかおろしたその日にこんなことが起こるとは予想していなかったが、誰かの役に立てるなら買った甲斐があったし、本望だと思った。ご機嫌な赤ちゃんを見て、やっぱり買ってよかったな〜と思った。

 

でも、よく考えたら
1日中東京の外気にさらされていた一張羅の紐。

金具もついてるし、お口に入れてはまずいと思った。

ぎゅうぎゅうの車内で、
なんとか体をそらして
一張羅を奪還した。

 

 

しかし

赤ちゃんがまた泣き出してしまった。

というか、一張羅を奪還したことにより、
わたしが泣かせてしまった。

後ろなんて見えないので、
急に泣きだす我が子に
びっくりしている様子のお母さん。

赤ちゃんは手をバタバタして、
明らかにわたしの一張羅を掴もうとしていて、

なんか、もう罪悪感しかなかった。

 

わたしの一張羅を君に捧げる

 

数秒考えた結果、
わたしは一張羅を捧げることにした。

 

今朝おろしたんだから、そんなに汚くないはずだ。

そらしていた体を元の位置に戻すと、赤ちゃんがおもむろに身を乗り出してきて、素早く一張羅を掴んだ。

 

嬉しそうに一張羅を舐める赤ちゃん。

 

わたしには、この笑顔を奪うことなど到底できなかった。

 

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ぱおぱお

貴方なら…奪えますか…。

 

つづく



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