はじめてのひとり暮らし02

あらすじ

引っ越し先にサンドバッグがあった。

 

 

サンドバッグに馴染みがなさすぎて
最初はなんだかわからなかったが
赤と黒の2トーンで、存在感がすごかった。

存在感はすごかったが
掃除を手伝ってくれた母も叔母も
「なんであるんだろうね〜」
「隣の部屋の人のかな〜」くらいで
特に大きな反応もなかったので
わたしも対して気には止めなかった。

その日は帰った。

 

バルサンを炊きに行った

数日後。

会社の先輩とアパートにバルサンを炊きに行った。

あいかわらずサンドバッグはそこにあった。

先輩はすぐサンドバッグに気づき
とても驚き、おもしろがっていたので
「やっぱり普通の部屋にはないんだな」と
改めて思った。

バルサンを炊いてその日は帰り、
数日後、とうとう引っ越した。

 

「こいつサンドバッグ持ってんすよ〜」

わたしの部屋の入り口(正確には隣の部屋の前)に
サンドバッグがあることは、いつの間にか会社でひろまっていた。

先輩はここぞという時に、撮影した写真をみんなに見せ
まあまあウケていた。

自分にはおもしろさがちっともわからなかったが
その話題になるたびに、ある不安がよぎった。

 

サンドバッグの持ち主のことだった。

普通の人はサンドバッグを持っていないので
相当ムッキムキのヤバい人が住んでいるのではないか。

一人暮らしを始める前に、いろんな人から
近隣トラブルの話を聞いていたこともあり
怖くなってきた。最悪、刺し違える可能性もある。

か弱い自分が勝てるとは思えなかった。

トラブル回避のためにも、挨拶に行こうか迷ったが
何を持っていけばいいか、なんと挨拶すればいいかわからず
迷っているうちにさらに数週間が過ぎていった。

つづく



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